マダム・アニツコフの家の家庭女教師をしていたマドモアゼル・E…が私たちの家に来ている。一種の家庭女教師みたいなことをするようになるだろう。
買い物などに行く時私は彼女に非常な丁重を示そうと思っている。そうすれば彼女が人から丁重に取り扱われるであろうから。なぜと言うに、彼女は背が低くて、ニンジンのようで、若いくせに悲しそうな顔つきをしていて、月が退屈した時のような丸い顔だから、威厳がないのである。その顔を見ると、こっけいな夢想に満ちた目をしていて、何となく笑いたくなる。けれども私の考えているような帽子をかぶらせたらばおかしくはなくなるだろう。私は彼女をアトリエに連れて行こうと思う。 死にかけている祖父様が、私が帰ってきて、どんなに喜んでいられるかを見ると、私はエムスを見捨ててきたことに対して慰められる。
by bashkirtseff
| 2008-11-22 11:18
| 1878(19歳)
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