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1873.09.20(Sat)

 スカルキオポフが来ての話に、人間は猿の退化したものだと言った。彼は伯父(オンクル)ニコラスのような考えを持っている小さい人である。「それならばあなたは神様を信じないのですか?」と私が聞いた。彼は答えた。「わたしは自分の理解するものを信ずるだけです。」
 おお、卑しむべき人よ! 男の子はひげが生えかかると皆そんな考え方をする。彼らは女は推理力もなければ理解力もないものだと思っている青二才である。彼らは女は自分で何を言ってるかもわからないでしゃべる人形だと考えている。彼らは女の話を聞くときは保護者のような風をして聞く。……私は卑しむべき人だということと、青二才だということを除いて、そのことをすっかりスカルキオポフに話してやった。彼は理解することも出来ないくせに何かの本を読んでいて、その説を振り回しながら、地球の両極には凍った植物や化石が発見されるのを見ても神様には創造することは出来なかったのだということを立証するのであった。
 私にはそれに反対して言うことはなかった。けれども、地球は人間創造以前に幾たびも大洪水のために激変を受けたのではなかったか? 神が6日間に世界を造ったという叙述を私たちは文字通りに受け取ることは出来ない。世界は世紀に世紀を重ねて出来上がって行く! けれども神はある。神が空を見たり、森を見たり、人間を見たりすることが否定されるだろうか? 罰したり報いたりする手、すなわち神の手があるということは考えられないだろうか? ……
by bashkirtseff | 2004-11-03 20:07 | 1873(14歳)
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