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1877.04.01(Sun)

 私は辛抱強い錬金者が待ち設けている瞬間を逃すまいとして昼も夜もレトルトの前に根気よく座っているような心持ちである。私は毎日今にもその時期が来そうに思われて、夢見ながら待ち設けている。……しかしどうしたらそれがわかるだろう? ……私は好奇心と驚きをもって自分を調べてみる。今があるいはそんな時期ではあるまいかと思って。けれども結局そんな時期は来ていないということが分かるようになる。もしかしたらばすでにそんな時期は過ぎ去ったのではあるまいかとも思われる。そうしてみると、つまり少しも異常なところはなくなったということになるのである。
 しかし私の空想はどうだろう、そうして私の書物と私の詩人たちはどうだろう? ……彼らは持ち前の野卑を隠すために、ありもせぬ物を大胆に作り出したのであろうか? 否……なぜと言うに、その場合、人の選択ということがどうして説明がつくだろう。……
by bashkirtseff | 2006-07-31 22:10 | 1877(18歳)
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