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1876.05.07(Sun)

 あらゆる人を軽蔑(けいべつ)すべき理由を見いだすことには一種の絶望的な満足がある。少なくとも、それが幻影にはとらえられていない。もしピエトロが私のことを忘れたのだとすれば、私はひどく侮辱されたのである。そうすれば私は、私の憎悪と復讐(ふくしゅう)の名簿にいま一つ名前を書き入れる。
 私は人間を今のままの状態で好む。そうしてそれを愛し、また自分もその一部分である。私はこれらすべての人類と共に生活している。私の運命と幸福は彼らの上にかかっている。
 これは全く愚かなことである。けれども、この世界においては、悲しくないことは皆愚かであり、愚かでないことは皆悲しいことである。
 明日3時に私はローマへ行くはずである。一つはただ転地のためと、一つはもし機会さえあらばA…に対する私の軽侮を示してやるために。
by bashkirtseff | 2005-07-31 13:54 | 1876(17歳)
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