もう春である。この季節には女がきれいになると言われている。それは真実である、私が自分のことで判断してみると……。皮膚も美しくなってきた、目も輝いてきた、色つやも新鮮になってきた。
今日は4月の3日である。私は私の前にローマのもう2週間を持つ。 不思議なことに! 私がフェルトの帽子をかぶっている間は冬であったが、昨日麦わら帽子をかぶったらば、じきに春になってしまった。着物とか、帽子とかいうものは時々こういう印象を与えることがある。ちょうど言葉とか、身ぶりとかが、長く準備されていたけれども、まだ現れて来そうにも見えないで、一つの小さい衝動を待っていたある事件を、急がせると同じように。
by bashkirtseff
| 2005-07-12 23:21
| 1876(17歳)
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