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1876.01.20(Thu)

 ファチオッチが今日私の持っている音調を皆歌わせた。私は3つのオクターブとより少なき2つの音調を持っている。
 彼は驚いた。私は自分を忘れるほどにうれしがっている。私の声、私の宝! 舞台で有名になることは私の空想である。私の心の中では、それは王女であると同じくらい喜ばしいことである。
 私たちはモントヴェルドのアトリエを見に行った。それから、紹介状を持っていたので侯爵(マルキス)デピネエのアトリエへも行った。デピネエは驚くべき彫像を作り出す。彼はアトリエにあるだけのものを私に見せた。マダムM…が、マリは芸術的な、驚くべき人間ですと、言って彼に話してあった。私たちはあらゆるものを褒めて、私の像を作ってもらうように彼に頼んだ。それは2万フランかかるということである。高いけれども、美しくもある。私は自分を大きく思っていると言った。彼は私の足をある像の足で測ると、私の足の方が小さかった。これはサンドリヨン(シンデレラ(フランスのおとぎ話に出る女で、姉たちは着飾って舞踏会などへ行くけれども、彼女だけは台所で働いていた。それをフェアリー(底本:「フエアリ」)が気の毒に思い、王子の愛を得るようにさせた。ところが彼女の足が大きかったので、その足跡で発見された。/(底本:「シンドレラ」))の足だとデピネエは言った。
 彼はその像の髪や衣服を立派に整えている。私は早くモデルになりたい。
by bashkirtseff | 2005-01-03 11:59 | 1876(17歳)
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