私はプチ(セーズ街の展覧会)へ行った。私はバスティアン・ルパージュとカザンとの比類なき絵の前で、1時間も足を留めていた。
それから後で、私はロベール・フルリのところへ行き、非常に快活な様子で物珍しそうにして言った。──ね、ムッシュ、審査委員会はどんな模様でございましたの? ──ええ、大層良かったです。あなたの絵が通過したとき、皆言いました。──それも1人2人ではなく、集まっている者が皆言いました、──「やあ、これはいい、第2だ!」 ──おお! ムッシュ、それは本当でございますの? ──ええ、本当ですとも。私はあなたをただ喜ばせようとしてそう言うのじゃありません。全くその通りです。で、票決したのですが、もしあの日に会頭がうろたえたりしなかったら、あなたは第2になれたところなんです。あなたの絵は皆がいいと言い、そうしてそれを同情を持って採決したのですから。 ──それでいて私は第3になっているのですね。 ──ええ。でもそれは一種の不幸と言うほかはなかったのです。全くの不運からです。あなたは第2になるはずだったのです。 ──でも、絵にはどういう非難があるのでございましょう? ──何にも。 ──どうして何にもですの、では悪くないのでございますか? ──いい出来です。 ──じゃそれなら? ──だから不幸だというのです。それだけのことです。だからもしあなたが、誰か審査員の方にお会いになって、あれをシメエズの上に掲げてくれとご要求になれば、そうなるかも知れません。なぜって、あれは良い出来ですから。 ──で、あなたは? ──私ですか、私は事務の方の係で、ことに番号の順序を守らせる役目を引き受けています。しかしわれわれの内の一人がそれを要求してくれば、私が何ら反対を言わないことだけは信じて頂いても良いです。 それからジュリアンのところへ行くと、彼はロベール・フルリの勧告を少し笑って、そうして何もそんなに心配しなくとも良かろう、私がシメエズに陳列されないとあっては実に驚かされるが、また……などと言う。それに、ロベール・フルリは、彼の魂と良心にかけて、私は2号に値しているのだから、精神的には私はその番号を得ているようなものだと言った。精神的には!!! そうしてそれは当然過ぎるほど当然であろう。 ああ! 否! 私が当然そうあるべきはずの事柄を、恩恵として頼み込む。それはあんまりだ!
by bashkirtseff
| 2011-03-16 22:55
| 1884(25歳)
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