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1874.07.15

 昨夜私はサポゲエニコフの家を出てから月に向かって言った。「月よ、おお、美しい月よ。私に、私の結婚する人を見せて下さい。」
 もし月に向かってそう言って、それっきり眠るまで一言も口を利かなかったならば、夢に出てくる人と結婚することとなると言うことわざがある。
 それはばかばかしいことである。私はSとAに夢で出会った。どちらも不可能である!
 私は今日が気持ちが悪い。何をしてみても思うように行かない。私は自分の高慢と愚かな尊大のために罰せられるであろう。善い人々よ、これを読んで学びなさい! この日記は今日まで書かれた、書かれてある、あるいはこれから書かれるだろうすべての書物のうちで一番有益で一番教訓的なものである。これはある一人の女と、彼女の思想、彼女の希望、欺まん、野卑、美、憂うつ、喜悦のすべてである。私はまだ完成された女ではない。けれどもそうなるだろう。ここで私に着いて来れば幼少から死までの跡がたどれます。なぜと言うに、人一人の生活、全き生活は、少しも偽り隠すことがなければ、常に偉大にして興味あるものでありますから。
by bashkirtseff | 2004-11-17 22:07 | 1874(15歳)
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