<   2011年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

1884.01.14(Mon)

 私はなんだかダンヴィレエル(バスティアン・ルパージュの故郷)に旅行したような心持ちがする。エミル・バスティアンが私たちに残らず話して聞かせたから。絵の計画も、生活状態も。……彼は決して暗がりでは何事をもしない。また私たちに沈黙を強いるようなこともしない。彼は決して……。もし彼がコンカルノーの写生を見て来るようにと私たちを誘わなかったとするなら、事実は彼は決して他の何人をも誘わなかったのである。彼は、自分が休息のために行ったにもせよ、コンカルノーでの幾つかの習作を見に来るようにと誘ったりするのは、気取っているように思われたのかも知れない。要するに、彼は私たちのところで非常に丁重に歓待されたので、そうした儀式張ったあいさつが述べられなかったのだという。彼の方では、私たちが行ってあげたら喜ばしかっただろうと言った。彼は重大な絵を見てもらうためにも、何人をも招待しないのだという。ただ彼の謙遜な弟に向かって、2、3の友人に前もって言っておいてくれるようにと言うだけだという。……
 しかしここにもっと重大なことがある。彼の弟が彼に私の絵の話をしたとき、彼は弟にこう言った。──なぜおまえは私がパリにいたときにそう言ってくれなかったのか、そうしたら見に行ったろうに。
 ──私はパリでは彼に何にも言わなかったのです。なぜって、例え彼が来たところで、あなたはいつものように皆隠してしまったでしょうから。彼はあなたの描いているものを何にも知らない。ただわずかにあなたの家の客間を知っているきりです。あなたはあなたの絵を裏返しにしておしまいになる。本当にあなたがあんなまねをなさると、彼はもう決して再びあなたの絵は見まいと思うのをご承知ですか? ……
 ──私がもしお願いして、もし批評を聞かして下さいと言ったら、聞かして下さるでしょうか?
 ──いつでも喜んでお話しするでしょう。
 ──でも私はお弟子ではございませんもの。本当に! ……
 ──それがなぜいけないのです? 彼にとっては願ってもないことかも知れません。彼はもしあなたに相談を受けたなら、非常に喜ぶでもありましょうし、また公平な意見も吐きましょう。常識のある意見をです。彼は、何らの偏見もない、非常に公平な審判者ですから。……そうして彼は興味あるお弟子を持つことを幸福に感じるでしょう。……私の申すことを信じて下さい。彼の方では非常に喜んで、非常に満足するでしょう。
[PR]
by bashkirtseff | 2011-02-27 23:28 | 1884(25歳)

1884.01.08(Tue)

 ヂナは良くポーズする。しかし彼女はポーズしているのだとは感ぜず、そうして動きはしないのだけれども、一切を変えてしまうようにさせている何ものかがある。私は体をもっと余計動かす女の方が10倍も好きである。と言っても、正しいポーズを時々また見いださせてくれるのでなければいけないが。……おお、でも……要するに、理由なんかどうでも良い、ただうまく進まないのである。それっきりである。……
 そうして私がこの不運に屈しないものだから、それは恐ろしい苦闘に変わって、私を弱らせる。憤怒の念は、その外観が異常に落ち着き払っていて、動作が病人のようにのろいにもかかわらず、実はすべてをぶち壊し引き裂いてやりたいと思う狂乱のいらだたしさに駆られる程度に達している。
[PR]
by bashkirtseff | 2011-02-25 21:58 | 1884(25歳)

1884.01.05(Sat)

 美術学校でマネの展覧会が開かれる!
 母とそこに行ってみる。
 マネが死んでちょうど1年になる。私は彼についてはあまり多くは知らなかった。この展覧会の全体としての感じは胸に迫るものがある。
 それは不統一で、無邪気で、かつ雄大である!

 作品の中にはばかげたものもあるが、傑出したものもある。少しのものを足したならば、彼は絵画会の大才の1人になれたかも知れない。彼の描くものはほとんど常に醜く、時としては異形のものさえある。しかし常に生き生きしている。すぐれた印象がある。
 そのもっとも悪いものの中にも、なぜかは分からないが、嫌悪の念も、倦怠の情も起こさせないで眺められるような、あるものが感じられる。そこには剛直なあるものがある。それは実に恐るべき自信の念が、やはり同じ程度に恐るべき無智と一緒になったものである。……彼は天才の子供のようである。それからほとんど全部チチアンから(女の写生や黒奴)、ヴェラスケスから、クールベから、ゴヤから、借りてきたようなところがある。しかしそれらの画家も皆お互いに剽窃(ひょうせつ)し合っているのだ。それではモリエールは? 彼は幾ページもそのまま一語も違えずに取ったところがある。私は読んで、知っている。
[PR]
by bashkirtseff | 2011-02-25 21:56 | 1884(25歳)

1884.01.04(Fri)

 そうだ、私は肺病だ。そうして亢進している。
 私は悪い。誰も知らないが、毎晩熱が出て、悪くなるばかりだ。私はそれを口にするのも嫌である!!
[PR]
by bashkirtseff | 2011-02-25 21:54 | 1884(25歳)