1878.11.20(Wed)

 今夜お湯に入ると急に美しくなって20分間ほど鏡に見とれていた。今夜私を見る人があったら称賛せずにはいられなかっただろうと思う。顔色が飽くまで輝きそれでいて柔らかくやさしみに満ちて、ほほには極めてかすかなセキチク色があるきりで、性格の力を示すものとては唇と目とまゆよりほかに何物もなかった。
 しかしどうか私を虚栄に幻惑している女だと思わないで下さい。私は自分がきれいでない時には、それがはなはだ良く分かる。今夜は久しぶりできれいになったのである。絵のことがすべてのものを飲み尽くしている。
 人生の恐ろしいことは、すべてのものがしぼんで、しわが寄って、滅びてしまうことである。
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by bashkirtseff | 2008-12-02 13:04 | 1878(19歳)
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