1878.09.30(Mon)

 初めて正式に絵の具を使ってみた。私は静物の研究をすることになっていたので、あなたも知っていられる通り、青い瓶にミカンを2つ添えたのと、別に男の足先と、これだけに絵の具を使った。
 私は古い物を描くことはやめにしたが、静物の仕事などもしなくてよかりそうである。
 私はコリニョンに男になりたいと書いてやった。自分でも何かになれるだろうとは思っている。けれども女袴などを着ていて何が出来ると思いますか? 結婚だけが女の唯一の仕事である。男には36の機会がある。女には1つきりない。それも賭博台の上に積み立てられた金のようなもので、その金は取られるに決まっている。人は女だって同じことだと言うけれども、そうではない。取られてばかりいるのである。しかし、年中夫の洗濯のことばかりにどうして構っていられよう? 私は女の現状に対して今日ほど腹立たしく思ったことはこれまでに一度もなかった。男女平等というようなことは理想の夢であり、かつそれは悪い形式であり、男と女ほど懸け離れた2つの生物の間に平等というようなものがあるはずはなく、それを要求するほど私は気違いじみてはいないものである。私は何物をも要求しない。なぜと言うに、女はすでに持つべきものを皆持っているから。けれども私は女であることを恨めしく思う。なぜと言うに、私の身の回りには封筒よりほかに女らしいものは何1つもないから。
[PR]
by bashkirtseff | 2008-11-26 14:47 | 1878(19歳)
<< 1878.10.03(Thu) 1878.09.28(Sat) >>