日付なし

 私はゾーデンでいろいろなプロムナードを発見した。……ただしそれは訪問者が誰でも登られそうに思う普通の道ではなく、人影も見えない森の小道である。私はその静けさが好きだ。パリでも、その他の土地でも、私に取っては砂漠である。しかしローマは別である。ローマのことを思い出すと、私はすぐにも泣きたくなる。
 昔のリウィウスは話し方が上手である。ある部分を読んでいると、彼が敗北の仮面をかぶって屈辱の弁解をしているようにも感じられて、それがほとんど感動的にさえ思われる。ローマは実際今まで私の唯一の愛人であった。
 婦人たちが銘々の神経や交際や医者や着物や子どもたちのことを話し合っているのを聞いている時の私の愉快な心持ちを想像してみて下さい。私だけは孤立している。私は森の中へ入ったり、でなければ、目を閉じて自分の好きなところへ座っていたりする。
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by bashkirtseff | 2008-11-21 10:20 | 1878(19歳)
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