1878.03.23(Sat)

 私はロベール・フルリの言った境界線を越してみせると約束した。
 私は約束を果たした。皆が私に対して非常に満足してくれた。私がこれほどの才能を持っているのは、勉強に値することであり、1、2カ月の間に非常な進歩をしたと言ってくれた。
 ──あなた方は今に学生たちの最良の組になるでしょう。ロベール・フルリがブレスロオの描いた絵を眺めながら付け加えた。ブレスロオはその席にいなかった。私の言っているのは、今ここにいない人たちのこともくるめて言っているのです。
 ──あなたは今にそねまれるようになるかも知れませんよ。ジュリアンが小声で私に言った。なぜと言うに、あなたがこの5カ月の間になさったほどの進歩をした人はこれまで1人もありませんでしたから。
 ──ジュリアン、とロベール・フルリは皆に聞こえるように言った。私はこの驚くべき天才を持っているマドモアゼルに最高の賛辞を与えているところです。
 ジュリアンは大きな体をしているくせに、ふらふらして漂っているように見えた。何となれば、ロベール・フルリは報酬をもらわないで、友情から直しに来るのであるから。それでジュリアンは学生が先生に興味を持っている時は、幸福になるのである。
 ジュリアンは裸体習作が直されている時に、(彼はそれを直さないことになっていた)入って来た。けれども私は彼が月曜日以来私の習作に興味を持って注意していることに気がついていた。
 要するに、私はいつもの謙遜(けんそん)な心で、こんないい気になったような出来事には、もうこれ以上かかずらわっていないことにしようと思う。けれども、ただある人の嫉妬心が、またほかの人の嫉妬心や不安が、100分の50も増加するのに気がつく。
 ほかの人たちは、絵の具で描きたいと思うとすぐ始める。けれども私はロベール・フルリの特別の注意の下に私自らを置いて、彼の指図のないことは何もしないことにしている。今日私は絵筆の使い方に慣れるために、ごく易しいものを何か静物から絶えず描くようにと言われた。これが絵の具のことを言われた2度目である。
 来週かもしくば再来週私は彼のために8号の画布に私の持っている頭蓋骨のそばに書物か何かを置いて絵の具で描いてみようと思う。
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by bashkirtseff | 2008-07-26 22:22 | 1878(19歳)
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