1878.03.12(Tue)

 いなくなったピンチオのことを思うと胸が痛くなる。
 私は実際彼をかわいがっていた。彼の失踪はワリツキの死と同じ程度に私の心を動かす。ことにあの犬は人の手に渡っていると思ったり、私を見忘れていると思ったり、あの黒い目と鼻をした小さい顔がまたと見られないのかと思ったりすると、なおさら胸がかきむしられるようだ。私は泣きそうになる。
 おお、いやだ! ……私はいっそC…にでも、または誰でも傷ついたり、病気をしたり、零落したりしている人に会った方がいい。私をあれほど愛していた犬を2度と見られないくらいならば。私は犬がいなくなったので、真実悲しんでいる。その他のことはわら一筋ほども気には留めていない。
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by bashkirtseff | 2008-07-05 15:29 | 1878(19歳)
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