1878.02.13(Wed)

 私の絵は少しも進歩しない。私には何か不幸なことが起こりつつあるように思われてならぬ。何か私が間違ったことをしてその結果を心配しているような、あるいは何かの迫害を予期しているような、そんな心持ちである。つまらないことのようではあるが、私はとにかく気掛かりでならぬ。
 母様は幸福にしていないが、それは母様自らの欠点である。私には母様にぜひともしないでいてもらいたいことが1つだけある。それは私の物に手をつけたり、私の部屋を片付けたりしてもらいたくないことである。私が何と言っても母様はいつもほとんど病的な強情を持って、それをするのである。それがどんなに腹立たしいものであって、どんなに私の性急を増さしめ、どんなに私の物の言い方を必要もないのに粗暴にするのであるかを、あなたに知って頂きたいと思う。
 私は母様が実際私を愛していると信じている。私もまた実際母様を愛している。けれども私たちは2分間も一緒にいると、すぐに苦しめ合ったり涙を流し合ったりする。つまり、2人一緒になっていると苦しくなり、離れていると不幸に感じられるのである。
 私は絵のためには何もかも犠牲にして良いと思っている。それが私にとっては生活そのものであるから。そのことは忘れてはならぬのである。
 だから私は独立せねばならぬ。それがためにどうなるとしても構わない。
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by bashkirtseff | 2008-06-29 22:21 | 1878(19歳)
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