1877.11.16(Fri)

 私は気の毒なシェッピをアベニュー・ド・ラ・グラン・ダルメの下宿に訪問した。全く芸術家的の屋根裏であるが、どことなしに金持ちらしく見える清潔さがある。
 ブレスロオとその他数人の芽生えの芸術家たちもそこに住まっている。
 部屋の中には写生やら、習作やら、その他興味のあるものがたくさん置かれてある。この芸術的な事物との結合、この空気のみは、私に気持ちの良いものである。
 私はブレスロオほど知識がないことに対してどうしても我慢していられない。……事実を言うと、……私はこれまですべてのことについて少しずつは何でも知っていたけれども、一つのものの中に深く入り込むことがなかった。心配なのは絵においてもそうではあるまいかということである。しかしそうではない。私の勉強している道を、私は良く転回して行くに相違ない。人が以前にあることをしなかったと言うことは、人がそれをなし得なかったという理由にはならない。新しいことを始めるごとに私は疑惑に陥る。
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by bashkirtseff | 2008-02-09 19:15 | 1877(18歳)
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