1877.10.22(Mon)

 今日のモデルは醜い男であったから、みんなして描くのを拒んだ。私は Beaux Arts 〔美術院/ボオ ザアル〕に陳列してあるローマ賞を見に行こうと言い出した。半分は歩いて行った。ブレスロオと、マダム・シモニイドと、ジラアルと、私だけは馬車で出掛けた。
 展覧会は昨日閉じられてあった。私たちは河岸を少し散歩して、古本や版画を見たり、美術のことを話し合ったりした。それからほろを割ったフィアクル〔つじ馬車〕でボアへ行った。あなたにはお分かりになりませんか? 私は何にも言わなかった。言うと彼らの興味をそぐことになるだろうと思ったから。彼らはみんな快活で、作法が良く、お互いに打ち解けるようになりかけていた。
 要するに、すべてがはなはだ良くいっていた。そのとき偶然にも私の家族の人たちの乗っているランドーが私たちのフィアクルの後からついてきた。
 私は御者に先に立たないようにと合図をした。家の人たちは私を見た。そうして私はそれに気がついていた。けれども私の絵描き友達の前で彼らに声をかける気にはなれなかった。私はずきんをかぶって、髪は乱れていて、ぶざまな様子をしていた。家族の人たちは怒って、それよりも悪いことには私のために恥ずかしがっていた。
 全く当惑した。……実際、不愉快な出来事であった。
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by bashkirtseff | 2007-10-27 10:19 | 1877(18歳)
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