──あなたには、私ががっかりしているのがお分かりでございましょう、ムッシュ。私はジュリアンに言った。昨日ある婦人は私に向かって、あなたには才能がないから勉強したって無駄だと言いました。
──そんなことをその婦人は言いましたか? ──ええ、それもまじめに。 ──よろしい、あなたはその方にこう言っておやんなさい。3カ月たったら、3カ月と言えばそう長くはありませんからね、3カ月たったら、あなたの肖像を正面からでも、斜めからでも、あなたのお好み通りに描いてあげましょう。どんなにでもお好み通りに。そうして決してまずく描く気遣いはありません。とそう言っておやんなさい。きっとその通りになれます。私は3カ月と言いましたが、これは大きな声で他の学生たちに聞かせても良いのです。私の予言することには少しも不思議はなく、きっとその通りになれます。 これがムッシュ・ジュリアンの言った通りの言葉である。彼は20年間パリで暮らしても少しも消されないマルセイユなまりの抑揚でそう言った。私は南方の抑揚が大好きである。
by bashkirtseff
| 2007-08-26 21:26
| 1877(18歳)
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