1877.10.10(Wed)

 私は、ムッシュ・ジュリアンが驚いたからといって、大したことをしたと思ってはいけません。彼は初心な、金持ちの若い娘の出来心を発見するだろうと期待していたから、驚いたのである。私には経験が不足している。けれども私のすることは正確で、よく似る。その出来栄えについて言うと、まさしく一週間の仕事をした後に期待さるべき程度のものである。
 私の仲間の人たちは皆私より上手に描く。けれどもその割合に忠実でもなければ、よく似てもいない。私が彼らよりよく描けるようになるだろうと思われる点は、私は彼らの長所をば認めながらも、自分では決して彼らと同等に描ければよいというような気持ちになれないからである。しかるに一般の初歩の人たちは決まって言う、せめてあの人くらいに描けたら! と。
 彼らは皆勉強もすれば、経験もある。けれども、あの40代の女たちはいつまでたっても現在よりよく描けるようにはなれないだろう。若い女たちも……皆立派に描いて、春秋にも富んではいるが、しかし未来というものを持っていない。
 おそらくは私も何事をもなし得ないかも知れない。しかし、それは性急からである。私は4年前に始めなかったことを考えると、死んでしまいたくなる。私にはもう遅すぎるように思われてならぬ。
 私たちは見ていよう。
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by bashkirtseff | 2007-07-28 20:50 | 1877(18歳)
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