1877.09.10(Mon)

 私たちは昨日の朝出発した。
 私はシュランゲンバードが好きである。森が見事であって、空気が香気に満ちている。あなたは一人でもいたいと思えばいられます。私はあらゆる小道を知り尽くしました。もしあなたがシュランゲンバードに満足することが出来るならば、あなたは幸福になれます。
 母や叔母には私の言うことは分からない。私がローマへ行きたいと言うと、母たちはただピンチオとか、オペラとかへ行ったり、絵のけいこに通ったりすることのみだと思っている。仮に私が全生涯を費やして母たちに私の熱情を説明したなら、あるいは私の言うことが分かるようになるかも知れない。けれども……毎日の生活の小さな煩わしさのために、彼らは心を奪われ尽くしている。……そうして、皆そんなことが好きなのは、生まれつきだと言う。もしそうでなかったら、人はいかに知的であっても、いかに教養があっても、決して理解するということは出来ないはずである。しかしおろかなのはむしろ私の方ではあるまいか?
 私は運命論者(ファタリスト)でありたい。
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by bashkirtseff | 2007-06-23 14:10 | 1877(18歳)
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