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1876.07.22(Sat)

 私はロシアへ行かなかったことを思い出して、母様へ電報を打った。母様からは彼とL…とが私の最上の友達だと書いてきた。全くである。私はもうピエトロのことは考えていない。ピエトロはそれに値しない。幸いに私は彼を愛していなかった。
 おとといまで私は毎晩神様に、彼を私のために見守って下さって、私に打ち勝たせて下さいと祈っていた。今ではお祈りにもうそんなことは言わなくなった。その上、神様は私が復讐を考えていることを知っておいでである。私がそれをお祈りしたわけではないけれども。復讐というものはキリスト教の感情ではないが、それにもかかわらずそれはある高貴な感情である。迫害を許すということは庶民に取ってははなはだ結構なことである。その上、人は自分で忘れないではいられないときだけ忘れるものである。
by bashkirtseff | 2005-09-27 22:27 | 1876(17歳)
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