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1876.06.09(Fri)

 私のローマ滞在の記事とピエトロが見えないので心をかき乱されていたときの記事を読んで、私はどうしてあれほどの活気をもって書けたものだろうと不思議に思っている。
 私は読みながら身震いする。私の空想がどれだけ動かされやすいかを知っているので、私は今更驚くはずはないのであるけれども。
 時々私には憎みも愛もわからないような、望みも恐れもわからないような瞬間がある。そのときは、あらゆるものがつまらなくなって来て、それを強いて理解しようと努めると、その結果は頭の中に興奮の渦巻きが起こって、かぶりを振ったり、耳を押さえたりしなければならなかった。そうして自己解剖や心情捜索を捨てて無感覚の状態を選ばねばならなかった。
by bashkirtseff | 2005-08-28 18:12 | 1876(17歳)
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