人気ブログランキング | 話題のタグを見る

1876.0428(Fri)──ニース

 私は眠っていて恐ろしい夢を見た。
 私は橄欖(かんらん)の木と赤い土を見ないように、11時ころ横になった。私たちは1時にニースの停車場について、誰よりも叔母は興奮して喜んだ。マドモアゼル・コリニョン、サポゲニコフ、その他の人たちも大喜びであった。
 ──あのね、私は扉が開かれる前に、そう言った、私は帰るのは嫌だったのだけれども、仕方がなかったのよ。
 そう言って私は皆を抱擁した。
 家は非常にきれいに装飾されてある。私の部屋はすっかり薄青い繻子(しゅす)で飾り立てられて、目もくらむほどであった。戸を開けてバルコンに出て私たちの美しい庭と、プロムナードと、海を眺めると、私は声に出してこう言いたくなった。
 ──人は何と言っても、ニースほど壮大に単純で、精巧に詩的なところはどこにもない。
by bashkirtseff | 2005-07-31 10:38 | 1876(17歳)
<< 1876.05.04(Thu) 1876.04.27(Thu) >>