1876.04.05(Wed)

 私は私に言い寄るすべての人たちのことを書いたり、話したりする。それは常識のないことである。それは全く閑居のために生じるのである。私は絵を描いたり、書物を読んだりもする。けれどもそれだけでは足りない。
 私のような虚栄心の強い女には、絵を描くことにはまり込むのが一番よい。何となれば、製作は不滅だから。
 私は詩人とか、哲学者とか、学者とかには、なれそうもない。私はただ歌うたいとか、画家とかになれるだけだ。
 それでも少なくとも何者かではある。私はもてはやされたい。それが大事なことである。
 やかましい才人たちよ、そんなに肩を怒らして、収まり返って、私を批評しないで下さい。もっと公平になって下さい。あなた方だって底を割れば同じことじゃありませんか! あなた方は見せないように用心している。しかし私が真実を語ると、それがあなた方の良心に分かってしまうことをば、どうすることも出来はしません。
Vanité! Vanité! Vanité! (虚栄! 虚栄! 虚栄!)

 すべてのものの始まりであり、かつ終わりである。そうしてすべてのものの永久のかつ唯一の原因である。
 虚栄から生じないものは、情熱から生じる。虚栄と情熱とは世界の二人きりの主人である。
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by bashkirtseff | 2005-07-12 23:29 | 1876(17歳)
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