私はひどく熱があって疲れてしまった。私は一日中客間で、安楽椅子から長椅子へと移り変わりながら過ごす。
ヂナが私に小説を読んでくれる。ポオテエンが昨日来た。また明日来るだろう。この男はもうお金を必要としない。それでもし彼が足繁く来るとすれば、それは彼が私に少しく興味を持ってきているからだ。 私はもうまるっきり外出が出来ない。しかし気の毒なバスティアン・ルパージュは外出する。彼はここまで運ばれてきて、クッションの上に両足を伸ばして、安楽椅子にかける。私は、そのすぐそばの今ひとつの安楽椅子にかける。そうして6時までもそうしている。 私はレースとフラシ天のついたフッイイを着ていた。それはすっかり白であるが、様々の異なった白で出来ている。バスティアン・ルパージュの目はそれを見てうれしそうに見張った。 ──おお! 私に描くことが出来たら! 彼は言う。 そうして私も! もうだめ、今年の絵は!
by bashkirtseff
| 2012-05-19 20:52
| 1884(25歳)
|
ファン申請 |
||