1884.08.12(Tue)

 要するに、私のお友達よ、詰まるところ、私は病人なのです。私はそういった気持ちに抵抗して闘っています。でも今朝は、とうとう降参しなければならないのかと本当に思い込みました。すなわち、私は寝込んでしまって、もう何にも出来なくなるのかと思いました。が直ぐと、少しばかり力がよみがえってきたので、私はさらに私の絵の材料を探し求めに出かけました。私の弱さと気扱いとは、私を真の世の中から遠ざけています。それを私は今ほどはっきりと見て取ったことは、これまで未だかつてなかった。
 すべてそうしたことが細々と痛ましくなるほどはっきりと私に見える。
 私は無知であり、また若くもあり、それに外国人でもあるが、最も偉大なる作家たちの悪くひねくれた文章や、最も有名な詩人たちのばかげた空想などを批評したりする。新聞紙に至っては、私は、反感を催さずには3行と読むことは出来ない。ただにそれが女中用のフランス語であるというばかりでなく、その思想までもが。……そこには真実なものがちっともない! すべてがおざなりであるか賃取仕事である!
 そのどこにも善意もなければ、誠実もない!
 そうして名誉ある人たちについて見ても、彼らは党派心に服従するため、嘘をつくか、でなかったら、彼らに考えられそうもないようなばかなことを言っている!
 それは嘔吐を催させる。
 バスティアンの家を出て、晩餐に戻ってきた。彼はまだ臥床してはいるけれども、平静な顔つきをして目は明るく輝いていた。彼は灰色の目をしている。その目のうっとりさせるような美しさには、もちろん卑俗な感じはない。
 あなたには私の言うことがよく分かりますか? 目、それは「ジャンヌ・ダルク」を見た目であって、──私たちはそれについて語っているのです。
 彼は十分に理解されていないことについて不平を漏らす。……私は彼に、ばかでない人間にはすべて彼は理解されていると言った。そうして彼の「ジャンヌ・ダルク」は、彼に面と向かっては到底言えないような様々な事柄を考えさせられる1つの作品であると。
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by bashkirtseff | 2012-05-19 18:23 | 1884(25歳)
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