もの悲しい。でも私には女友達はなく、誰をも愛せず、また誰にも愛されない。
私に女友達がないというのも、それは(私は良く知っている)私がいかにも高いところから「群集を見下ろしている」からのことである。 誰でも侮蔑(ぶべつ)されるのは嫌いである。真に卓越した天性を備えた人たちは決して愛されなかったことを考えると、私は自ら慰めうるかも知れない。民衆は彼らを取り巻いて、彼らの光に浴して温まっている。そうした心の底では、民衆は彼らを忌み嫌って、彼らを誹謗する。今ちょうど、バルザックの銅像を建てることが問題になっている。そうして新聞は、この偉大の友人たちを漁り集めた追想談や、その他の参考資料を発表している。そうした友人たちなるものは、嫌みで嘔吐を催す。 これでは個人の卑しい特長やら、嘲笑的な点やら、卑屈さやらの暴き合いみたいなものである。 私はまだしも敵が好きだ。敵だったら民衆はそれほど信用してかからないから。
by bashkirtseff
| 2011-03-06 22:20
| 1884(25歳)
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