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1874.09.12(Sun)

 今夜はフロランスに来ている。町は適度の広さらしい。しかし生命に満ちている。どこの隅に行っても薄く切ったスイカを売っている。私はその新鮮な、赤いスイカの薄切れにひどく心を引かれた。私たちは窓から四つつじとアルノ川を眺めている。私は祭礼のプログラムを尋ねた。すると、今日から始まったのだということであった。私は、私の親愛なるヴィクトル・エマニュエル(第2世、イタリア王、1820-1878(底本:「エマヌエル」))はこの良い機会──ミケランジェロ・ブオナロッティ(底本:「ブオナロッチ」)の百年祭(四度目の百年祭)! をばいかに利用すべきかは知っているだろうと思った。あなたの統治中のことではありませんか、分からず屋さん!!! それにあなたは各国の主権者たちを招いて前代未聞の祭礼を催すというようなことをなさるのでもありません! またあなたはにぎわいをさせるというのでもありません!!! おお、国王、あなたの息子、あなたの孫、そのまた息子たちが、あなたの後を継いで統治するでしょう。けれども、誰にもこういう機会は与えられないでしょう。おお、粗大な肉の塊よ! おお、野心もなければ適度な愛もない国王よ! 会合はあらゆる種類のものが行われる。音楽会、装飾灯、以前のボルゲーゼ家(底本:「ボルゲエズ」)の宮殿であったカジノ(娯楽場/(底本:「カシノ」)の舞踏会、など。……けれども国王は一人も見えない! 私の好きな望ましいものは一つもない! ……
by bashkirtseff | 2004-12-18 22:00 | 1874(15歳)
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