1883.08.05(Sun)

 私とCとあるロマンがあったと言われる。私が結婚しないのはそれがためだと言われる。一角の嫁資を持っていながら、私がまだ伯爵夫人にも公爵夫人にもなってないのを見ると、世間ではそうとよりほかに訳が分からないのである。
 愚かな人たち! 幸いにもあなた方、選まれたわずかな人たち、卓越した人たち、親愛なる親交者なるあなた方は、私の日記を読むから、これをどう考えて良いか、分かってくださるでしょう。しかしあなた方が私の日記を読む頃には、私の話している人たちは皆恐らく死んでいるでしょう。そうしてCは、この騎士を思う一人の若い美しい乙女に愛されたいという甘美な確信を、墓の中へ持って行ってるでしょう。……愚かな人たち! ほかの人たちもそう信ずるであろう。愚かな人たち! しかしあなた方だけはそうでないことをよく知っている。恋故に小さい侯爵たちを退けるのは詩的かもしれない。でも、ああ、私は彼らを理性から退けるのである。
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by bashkirtseff | 2010-08-11 18:38 | 1883(24歳)
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