1883.08.03(Fri)

 バスティアン・ルパージュは及びもつかない。自然を間近く研究するとき、自然を完全に模倣しようとするとき、いつもこの底知れぬ芸術家を考えないわけには行かない。
 彼は皮膚のあらゆる秘密を握っている。他の人たちが作り出すものは絵である。彼のは、自然そのものである。それを写実家だと言う。しかし写実家は現実の何ものであるかを知らない。彼らは粗雑であれば、それが真実だと信じている。写実主義は粗野なものの再現にあるのではなく、それをば完全なものにすることである。
 私は絵だと言われるようなものを作ろうとは思わない。血のごとく肉のごとく見え生命のごとく見えるようなものを、私は欲する! 一日中犬みたいな労苦を続けて得たところのものは、つまらない仕事をして、乾燥無味なものをこさえたいという残酷な非難である!
 だからダンヴィエ(バスティアン・ルパージュの故郷)の怪物を思うとくじかれてしまう。それは大きくて、単純で、真実である。そうしてそこには自然のあらゆる細部がある! ああ! 嫌になってしまう!
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by bashkirtseff | 2010-08-11 18:35 | 1883(24歳)
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