1883.07.13(Fri)

 私はロマネスクなのかしら、この言葉の持つ嘲笑的な意味において? それとも私は本当に凡庸を絶しているのかしら? なぜと言って、私の感情は文学の中での最も高いもの、もっとも純潔なものとでないと相いれないから。そうしてバルザックは、作家という者は脂粉を持ってするがごとくにそういったもので自らを飾り立てるものだと告白している。……すると? ……
 では……恋は?
 それは何であるか? 私はかつてそれを経験したことがない。今まで言ったような一時的なうつろな誘惑は数にも入らないから。私は選択したことはあった。と言うのは、私の空想に目標を持たせなければならなかったから。私が選択したのは、私の「偉大なる魂」の要求からであって、彼らが偉いからではなかった。
 そこに全然相違がある。その相違は大きい。
 気を移さずに、芸術の方へ行きましょう。私には自分が絵画でどこを歩いているか分からない。私はバスティアン・ルパージュを追っている。それが嘆かわしい。
 とかく人後に落ちたがるものだ。
 1つの新しい道を発見するのでなかったら、決して偉大にはなれない。自分に固有な天性を、特別の印象を与えるような方法を。
 私の芸術なんかは存在しない。
 私は「聖女たち」で少しくそれを瞥見している。……それからまだ? 彫刻では別である。しかし絵画では! ……
「聖女たち」では、私は何人をも模倣していない。そうして私は非常な効果を信じている。なぜと言うに、私は材料の蒐集にはどこまでも誠実ならんとし、それからこの主題で感じさせられた一切の感激をば織り込めようとしている。
 子どもたちの絵はバスティアン・ルパージュを思わせる。もちろん私は題を街頭に取ったのではあるけれども。そうしてこれは非常に共通な、非常に真実な、非常に日常的な主題ではあるけれども。そうして、それでいてこの絵はいつも何ともしれない不安を私に起こさせる。
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by bashkirtseff | 2010-08-07 07:53 | 1883(24歳)
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