1883.06.11(Mon)

 父上は死んだ。
 今朝10時に、すなわちたった今電報を受け取った。叔父とヂナとは、階下で、埋葬を待つまでもなく即刻母に戻ってもらわねばならぬと言っている。私は非常に動揺させられて、ここへ上がってきた、しかし泣かないで。ただ、ロザリが衣装の出来たのを私に見せに来たときには、私はこう言った、「そんなどころじゃないよ、旦那様がお亡くなりになったんだよ。」そう言って私は、たまらなくなって泣きだしてしまった。
 私は父上に対して悪いことをしただろうか? 私はそうは思わない。私は常に良かれとばかり思い思い努め振る舞ってきた。……でも、こうした場合に立ち至ってみると、誰でもきっと何かしら自分に落ち度があるように思われる。……母と一緒に立たねばならなかったのだ。……
 父上はまだ50になったばかりである。それをあんなに大病をして! ……そうして、要するに、誰に向かっても無理なことなどはしなかった。家庭にあっては愛され、完全に正直で、誠実で、あらゆる奸悪を嫌って、実に好人物であった。
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by bashkirtseff | 2010-07-29 07:52 | 1883(24歳)
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