1883.05.02(Wed)

 私はオペラに行くはずであった。しかし何のためだろう? と言うのは、私は自分が美しく見えたということがバスティアンの耳に入るかも知れないので、ちょっと行ってみようと思ったのである。そうして、それが何になるか? 私には分からない。要するに、それは愚かなことである! 私が少しも気に留めないような人たちを喜ばすということは途方もないことではあるまいか? ……
 私は注意しなければならない。ことに何にもならないことのために骨折らねばならないから。なぜと言うに私はこの大芸術家に反抗して真剣な計画はひとつも持っていない。私は彼と結婚すべきであろうか? 否。それでは、どうしたら良かろう?
 要するに、なぜ1番深い底をいつも探るのであろう? 私はこの偉人を喜ばせたいという気違いじみた願いを持っている。それがすべてである。そうしてサン・マルソーをも。どちらが上であろう? それはどうでも良い。この2人の中の1人ならば十分である。それは1つの興味である。……人生の私の外観はそれがために変わった。私は一層美しく見えてきた。皮膚はしなやかで、新鮮で、ビロードのようで、目は生き生きと輝いている。要するに、それは不思議である。こんなたあいのないことでも、これだけの結果になるのだから、真実の愛はどんな結果になるのだろう?
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by bashkirtseff | 2010-07-13 08:05 | 1883(24歳)
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