1883.04.18(Wed)

 私は何をしているか、お分かりですか? 私はジュリアンのところのコンクールをしています。着物を着た女の像と、その手。それははなはだみっともない。けれども男のアトリエもこのコンクールに加わることになって男に打ち勝てる望みがないから、私も入ることになったのである。
 考えても見て下さい。もう別室を取った人が幾人もあります! 4週間もたてば結果は分かる。なぜと言うに、4つのアトリエがそれぞれ同じ像を描くことになっているので。
 もし私が今年褒状がもらえたら、私はブレスロオよりもずっと急速な進歩をしたことになるだろう。ブレスロオはジュリアンのところに来るまでにひどく勉強をしたのであるから。到頭。
 今まで私はピアノを弾いていた。初めはショパンとベートーベンの2つの神聖な行進曲を弾いたがそれから何と言うことなしに、気任せに弾いているうちに、自分で自分の音色に聞き取れてしまった。私にはわけが分からない。今ではそのひとくさりも思い出せない。即興で弾いてみようとしても、出来そうもない。時間とか分とか何か知らないが欠けているものがある。そうして何という神聖な旋律が今私の頭の中を流れていることだろう。私に声があったら、私は魅力のある、まだ聞いたことのないような、戯曲的なものを歌ってみた。……なぜ? ……人生はあまりに短い。何をする暇もない! 私は絵をばよさないで彫塑をしたい。私が彫像を作ってみたいのはそれだけ大きなことではない。私はただ美しいものをて、私の見たものをどうしても作ってみなければならぬと感じるのである。
 私は絵を描くことを学んだ。けれども私はこれこれの絵を描いてみたいと思うのでこれまで描けなかった。今は自分の幻影に形を与えるために粘土でこね上げてみようと思っている。
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by bashkirtseff | 2010-07-03 08:16 | 1883(24歳)
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