1882.11.27(Mon)

 1人の女の子が私のために自分から進んで座ってくれている。それは私が出来た絵をやると言ったからである。私はジュリアンのために押しつぶされて、誰にも相談をしなかった。しくじったり、何にも出来なくなったりしたらこっけいだろうと思われたから。
 彼はもはや私が何にもしていないと言うはずはないので、──なぜと言うに私はまた彼のアトリエに通っているから、──私が勉強を装っているのだと彼は言い出した。これがまた私を悩ます。おととい彼はこの2年間だけ私は進歩をしなかったのだと言った。この2年間のうち5カ月は病気で、6カ月は回復にかかった。残りの時間で私はサロンに出す絵を描いた。──ロシアの外気で描いた等身大の女と、ニースの老人と、テレエズと、イルマと、ヂナと。大きい絵はそれだけであった。その数はたくさんではなかった。それらの絵が良くなかったことも分かっている。けれども、靴屋が慰み半分にしたような仕事ではなかった。
 要するに、ジュリアンはそう言ったら私を励ますことになるだろうと思ってい、そうしてそれは気の利いた言葉だと思っている。──腹立たしいことだ! もちろん私はブレスロオのように恵まれてはいない。彼女は小さい芸術的環境の中に生きている。ちょっとした話も、ちょっとした動きも、皆ある程度まで自分の道に関係している。けれども私は今私の置かれている境遇において出来うる限りのことをするつもりである。
 私は勉強の時間をひどく浪費しなければならぬ。例えば、ブレスロオが写生をしたり、構図をしたりして費やす夜を、私は訪問者のために煩わされたり、悩まされたりする。
 環境というものはあなたが学生である間は半ば戦場のようなものである。このことを考えると私は冷ややかな腹立たしさを顔に表したり、周囲の人に同じような感じを抱かせたりする。──もし私がこれ以上に刑罰の降り掛かることを恐れないならば、私は神は不公平だと言いたい。実際そうである! 私は自分で恐れている、以前よりも強壮になり、大きかった肩はさらに大きくなり、腕もさらに太り、胸もさらに張ってきたけれども……
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by bashkirtseff | 2010-06-06 22:15 | 1882(23歳)
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