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1882.09.01(Fri)

 母から手紙が届いた。それには私たちの若い隣人たちがその友達を誘って私たちの家へ2カ月間滞在して大猟をすると書いてある。母はすでに帰る用意をしていると書いてある。けれども、私が聞いたから、そう書いてきたのである。これは私を不安と疑惑と心配の海の中へ投げ込んでしまう。ロシアへ帰ったら展覧会に出す絵は駄目になる。もし夏中仕事を続けていたのならば休養の必要があるという口実があるかも知れない。けれどもそれも出来ない。あるいはそれが立派なものになるかも知れない。けれども、それもおぼつかない。……汽車で4日4晩旅行して、1年間の労力を犠牲にして、見たこともない人たちの中から誰かを選び出したりする──それは無意義なことである。理性も反省も混じっていない。私はこんな愚を論じ出す瞬間に、おそらくはそれを実行しているだろう。なぜと言うに、私はもう自分で何をしているかも分からなくなった。私は占い者のジャコブばあさんのところへ行って聞いてみよう。私に病気があると言って予言した人のところへ。
by bashkirtseff | 2010-05-21 07:54 | 1882(23歳)
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