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1882.07.31(Mon)

 ロベール・フルリが今夜訪ねてきて、絵のことについて議論をした。──一般の絵のことについて。私は満足な状態で仕事が出来ない。この2年間、私は思想の連続を持たない。それで1つのことを終わりまでし通すことが出来ない。それは実際である。……彼は私の仕事をする態度を考えると、出来るだけ多く先へ先へ進もうとするか、ほかの若い人たちはもっと長く仕事をして、もっと良い結果を得ようとするということを私に証明するために、そう言った。何物と言えども、忍耐と継続ほど効果のあるものはない。しかるに、時々良い週間があっては、また怠惰な無用な週間が続くという風では、進歩するはずはない。けれども実際私は病気のために、旅行したり、アトリエに入れなかったりした。……今私はすべてのものを持っている。もし今仕事が出来なければ、私は無能である。
 今度の絵は非常に良い。私はそれを良く仕上げたい。この週間私の描き方は大胆であった。けれども……私を絶望させないために、彼はいろいろと励ますようなことを言ったのであろう。例えば、私は一番力強い人にも劣らないほどに力強いとか、私は何でもやろうと思うことはやれるとか、……そうして私が泣き言を言うと、彼はそれをつまらないことだと言った。そうして私ほど短い時期の間にこれ以上のことをした人を見たことがないと言った。4年である。彼はもっとも天才ある人、もしくはもっとも幸運な人でも、7年、8年ないし10年かかっても成功しないものだと言った。おお、それはあまりにひどいことである!
 時々私には自分の思うことを大急ぎに書いて書けることがある。修辞学など私には必要ない。私は人を驚いて飛び上がらせるようなものを作り出さねばならぬ。それ以外のものでは私は自分の平和を取り返すことが出来ない。……
by bashkirtseff | 2010-05-10 07:37 | 1882(23歳)
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