1882.02.07(Tue)

 私は怒っている。──ウォルフがマドモアゼル・ブレスロオに極端におもねった10行の詩をささげている。
 しかし、私が非難する限りではない。人は自分の好きなことをする。彼女は自分の芸術に一生懸命になっている。私は自分で長上着を発明したり、胸着を工夫したり、ニースの社交界でどうしたら仕返しが出来るだろうかというようなことを考えている。そういえばとて、私はブレスロオのようにしたら同じ才能が持てるという意味ではない。ブレスロオはブレスロオの行き方で行き、私は私の行き方で行く。けれども私の翼ははさみで切られたように感じる。それで私は時々自分の無力から何もかも投げ出してしまいたくなることがある。ジュリアンは私がしようと思えばブレスロオのするくらいなことは出来ると言った。しようと思えば、──しかし、思うためには力が必要である。私のしたいと思うことに成功する人たちは、自分では分からないでも、私に欠けている秘密の力を持っているのである。しかし時々私は自分の将来の才能を信じるのみでなく、天才の聖火が内に燃えているように感じることもないではない!! おお、不幸よ!
 しかしここにいると、誰をも非難しなくなり、また気持ちもいら立たない。すべて、もしあの人さえなかったら、あるいはあのことさえなかったら、私はきっと成功したはずだと言ったりするほどあさましいことはない。──私は自分の出来る限りのことをしている。けれども何にも完成しない。
 おお、私の神様、私は誤っているかも知れませんが、また私が自分を平凡だと思うことは間違いであるかも知れませんが、それは許してくださいまし!
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by bashkirtseff | 2010-04-09 08:01 | 1882(23歳)
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