1881.12.15(Thu)

 悪くなってから、4週間と2日になる。私はポオテエンの助手の前で泣いて見せた。彼は私を泣き止ませる方法を知らなかった。私はしゃれを言ったり、でたらめな話をしたりして彼を面白がらせることをよして、髪を垂らして小娘のようにしゃくり上げながら、泣き言を言ったり、本当に涙を流したりした。──白状すると、実際は思っていないことを言いながら、冷静にそうしたのであった。例えば芝居をするときのように、青くなったり、真剣に泣いて見せたりした。それで私は立派な役者になれるだろうと思った。けれどもせきが出て、いまだにまだ呼吸が苦しい。
 父上が今朝着いた。何もかも都合よくいったが、ただポオルの気の毒な細君だけは、ポオルがあまり冷淡な様子をしているので自分で決まりが悪がっている。私はそれを気の毒に思い、母からもらって使い前のなくなっているエメラルドを彼女にやった。
 あとで私はそれが少し惜しくなった。それは宝石の好きなヂナにやれば良かったと思った。つまらない!
 父親が気を悪くしているとは思えない。反対に、精神からいっても肉体からいっても、いくらか私に似てる(これはお世辞である)のであるが、私を理解することが出来ないのである。
 考えてみて下さい、父は踰越(ゆえつ)の祭りに私たちを皆国へ連れて帰ろうと思っているのです!
 否! それは実際ひどい。あんまりわけが分からなさすぎる。私を、こんな健康なのに、2月3月にロシアへ連れて行こうというのである!!! よそう! 後のことは言うまい!!! おお! 否! 私は南に行けと言われても嫌だ! 否、否、否。もうこのことは言うまい。
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by bashkirtseff | 2010-03-23 08:00 | 1881(22歳)
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