1881.10.09(Sun)

 何にも変わったことはない。ポラックとエスコバアが毎日訪ねてくる。母様はロシアへ行くことになっていた。しかし彼らが来ているときは私たちは涙を節約した。私は今朝から非常に悲しい気持ちである。しかしそれは当然である。母様は父が会いたがっているので行かねばならぬのである。彼女は去った。
 私たちはポラックと絵の話をして宵を過ごした。今私は1人きりになってあらゆる種類の恐ろしいことを想像している。もし母様が死んで再び私たちに会えなくなったらどうしようなどと。
 おお! もしそんなことがあったらば、それは私が愚かにも親に背いた刑罰であろう。。……
 私は自分の心のとげとげしさをぬぐい去ることが出来ないので泣いて一生を過ごさねばならないだろう。ああ! ……考えても見て下さい。自分に罪があると感じて、そうして決して決して自分の愚を償うことが出来なかったらばどうでしょう。
 母は私に愛されないと思って死ぬであろう。それは私にとって、いつも同じことである。私は自分を慰めている。否、自分では幸福でさえもある!
 私はあらゆる種類の不幸を期待している。けれどもこの不幸にどうして耐えられるか、想像することも出来ない。……目は盲となり、体はまひしてしまう。……それは惨めである。しかしもしそういった状態の下において私が母様を失ったならば、私は母様を殺したような気持ちがするであろう。
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by bashkirtseff | 2009-11-21 07:38 | 1881(22歳)
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