1881.03.19(Sat)

 私は心が楽しまない。トニーは以前から考えていたように、良い点もいろいろあるとは思っているけれども、全体から言って余り称賛に値しないと考えている。彼は私にどうすればよいかということを詳しく説明した。そうして絵筆を取って少し手入れをした。それを後から私は消してしまった。
 4時半にジュリアンが来た。私たちは仕事をやめて話した。私は8時15分前から始めたのであった。私は疲れていた。トニーから「非常によろしい」と言われなかったのでことに疲れていた。
 私の神様、私はそれが輝いて生気に満ちていることは分かっていますが、しかし知識の欠乏が非常にあります!
 ジュリアンはこんな特別な画題を私の最初の大作に与えたことを自分からどうかしていたのだと言いだした。──ああ! 「せめてこれがあなたの2番目の大作だったらば!」──ああ! そうです。──それでは、ムッシュ、来年に延ばしましょう。
 彼は私を見た。その目は私が不完全な平凡な絵を出品しようという虚栄的な満足をなげうつことが出来そうなのを見いだして希望で輝いていた。もし私がそれをなげうったなら彼は満足したであろう。私はなげうつことが出来る。けれどもほかの人たちは! 私の友達は? 彼らは私の絵が先生たちからあまり悪いと言われたとか、私は大きな絵を描く能力がないとか、サロンではねられたとか言うであろう。
 問い、私は2、3の小さい点を除けば自分の出来るだけのことをしたか? しかり、もちろんした。けれども私は自分がまだ全く未知の事物に面接していることを発見した。いかなる場合にも私は大いに学ぶところがあった。
 ジュリアンは私が非常に進歩して、これは面白くできたと考えている。けれどもこれがどんなになるべきはずであったかということを考えてみると腹立たしくなる。ああ! 私はこの画布を引き裂きたくなる。出品しなくて済むように。なぜと言うに、私はすでに刑罰を受けたつまらない虚栄心のためにそうしなければならないからである。何となれば、私は公衆の無頓着と下の男の学生たちの嘲笑を恐れている。それは厳密に言えば嘲笑ではないかも知れない。けれども彼らは言うだろう。──してみると、婦人の中の1番強い者でもそれほどに強くはありませんね。
 ああ! セニョール! それは先見されていたのかも知れない。ジュリアンはそれを先見していたに相違ない。けれども彼は私の画布の上であまり仕事をし過ぎたからだと言った。私が初めの行き方で描いていったなら良くできたはずだと言った。それから10歳ばかりの小さい子どものモデルの習作がある。それをもし例週の習作として描いたのならば、私はめちゃにしてしまったかも知れない。それはまずい上に、創意が平凡で、性格がなくて、私に全然不似合いなものである。それは最悪の絵である。
 ああ! 困ってしまった。どうしたらよいだろう?
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by bashkirtseff | 2009-02-18 11:12 | 1881(22歳)
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