1881.01.01(Sat)

 私はA…に1つの花束を与えた。彼女は私に2度接吻した。そうして、2人きりになった時、私は彼女の愛の進行とその始まりについて話してもらった。それは今日まで6年間続いていて、少しも変化がない。彼女は階段の上の彼の足音をも、彼の戸の開け方をも知っていて、そのたびにそれは初めのころの通りに彼女の心を動かす。それを私は理解する。もしそうでなかったなら初めと同じ愛ではないだろう。人はお互いに慣れると感情が減っていくという。けれどもそれは間違いである。変化したり、気抜けしたりする愛は真実の愛ではない。
 私は変化の恐ろしさを知っている。もう帰ってこなくなってさえも変わらないで永久的であるような真の愛を感じうるほどに幸福な人はめったにない。普通の人はそれほど完全な感情を経験することが不可能である。仮に可能だとしても途中から脇道へそれたり、せき止められたりして、変化するところの断片の愛で満足している。だからあなたがまれなる永久の愛とかもしくば独自の愛とかいうものを口にすると多くの人は肩をそびやかして身震いするのである。
 真の愛は必ずしも永久ではないかも知れない。けれども常に独自的のものである。
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by bashkirtseff | 2009-02-10 13:20 | 1881(22歳)
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