1880.11.27(Sat)

 コンクールは済んだ。私はここに前もって自分の意見を述べておくことが出来ればよいと思う。けれども実際に出来ないのである。私は自分の描いた絵が気に入らない。私の目には砂が入って、1番大切なところを描くには日中も暗かった、私は今日になってやっと全力が出せるようになったので、首をすっかり塗り直した。それでずっと良くなった。……けれども気に入らない。それでも私はそれが最善であることを承認しなければならぬ。
 私は自分の絵が自分に出来うる限りのものだということをば保障しない。なぜと言うに、私はいつも自分を公平に判断してはいるけれども、人は時々驚くことがあるから。私は賞牌を得た時には自分が1つの驚異を作り出したと思った。……しかしそんなものを信用してはならない。……要するに、私はそれを得たく思う。──それは私の気分を高めるであろうから。そうして、それは私がトニーからもブグロー(底本:「ブウゲロオ」)からもルフェーヴルからもブーランジェからも推讃された1つの首を描いたということになるのである。あなたも知っていられる通り、賞牌はそれだけの価値のある場合にのみ与えられるのである。もしそれだけの価値のあるものがない場合には、絵には順位がつけられるだけである。
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by bashkirtseff | 2009-02-07 13:41 | 1880(21歳)
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