1880.10.22(Fri)

 雨が降って、寒い。肌をかまれるように寒い。そうして薄暗い。その上、私の気分も天気のようで、せきが止めどなく出る。ああ! 何という惨めな、何という恐ろしい私の生活であろう! 3時半にはもう絵の描けるほどの光がなくなった。そうして火をともして読書すると、目が疲れて次の朝絵が描けなくなる。私の会いたいと思う少数の人たちも、その話が聞こえないかと恐れて、私は会わないことにしている。私の耳は良く聞こえるようになったり、全く聞こえなくなったりすることであろう。そうして聞こえなくなると、私は言いようのないほどの苦痛を感じる。しかしその内には神が私の生活に結末をつけてくれるであろう。その上私はもし誰にも会えなくなったらば、あらゆる種類の惨めさを感じるに相違ない。呼び鈴が鳴るたびに私は震え上がる。この新しい恐ろしい不幸が私をして今まで望んでいたすべてのものを恐れさせた。しかし、私は人に対してはいつも快活に楽しそうにしている。私はテアトル・フランセーズのマドモアゼル・サマリのごとくに笑う。それは仮面と言うよりはむしろ習慣である。私は今後も笑うであろう。すべては終わった。私が終わったと思うだけではなく、実際に終わるようにと私は望んでいる。私はこの喪心を表現すべき言葉を知らない。
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by bashkirtseff | 2009-02-06 14:58 | 1880(21歳)
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