188010.15(Fri)

 私はこの夏以前に描いたジュリアンの弟子の1人の肖像画をまた手に取った。それは髪の毛の黄色い方ではなく、今1人の美しい人のである。褐色の髪が赤く反射して、新鮮で、生きているようである。かれんな顔つきが、吹き出物が出たようになって来た。それから美しい褐色の目と、清浄な唇と。しかし正面から見ると何となく平凡に見えるので、私は横顔を描いた。その首と両腕は色においても形においても立派に見える。彼女は25歳の寡婦で、5歳半の1人の男の子を持っている。その婦人がもしモデルならば私は1年間雇いきりにしようと思う。
 彼女はまた美しい手と美しい皮膚をしている。彼女の顔の異常な輝きを描き出すことは不可能である。私は彼女を見るとすぐにサロンに出すべき絵の概念を得た。彼女は天使のように座るから、私はその肖像画を彼女に与えて、相当の金を得させた。私は彼女にグルーズ風に、卵黄色のダマスコ織の胸衣を着せて、インドのモスリンの肩掛けを掛けさせた。
 私は彼女にサロンのために座ってくれるようにとは頼まないであろう。それには1カ月もかかるから。仮に私が彼女に支払う方法を考え得るとしても、それは不可能なことである。……私はすでに冗談半分に彼女に座ってくれるようにと頼んだが、しかし本気には……。ああ! 何という立派なモデルだろう! 彼女を描いたらきっと見事なものが出来るに相違ない。
 3年前に私は白を流行させたと同じ方法で、私の十文字のきれと飾り帯をとがらすこととがまねられてきた。それは非常にうるさいことである。
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by bashkirtseff | 2009-02-05 12:06 | 1880(21歳)
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