1880.10.02(Sat)

 私が今肖像を描いている一夫人はその報酬として手の習作のために座ってくれることになった。トニーは非常に優しかった。彼はユダヤの女たちの絵を直している時に、私の手が目について、──これは誰が描いたのですか? ──私です、ムッシュ。
 ──非常に正しく行ってる、非常に正しく、非常に正しく。そう言っていま一度私の習作を眺めた後で、非常に正しく行ってる、非常に正しく、と繰り返して、それからまたしばらくして、非常に正しく行ってる、と言った。彼は愉快そうな驚いた顔つきをしていた。私の喜びを想像して下さい!
 それから彼は私の席に腰掛けて、私に1つの教訓を与えた。──これは良い習作です。こんなのをもっと幾つもお描きなさい。調子が大変良く行ってる。私が圏点を打ったのは、私のアトリエ仲間の人たちが何に反対すべきかも知らないで、私は色彩家でないと言ったからである。
 ──残念なことに、この絵は全然正しくはない。けれどもこの次の習作には良くなるだろうと思う。これは少し長過ぎた。──これは2度とは起こらない欠点です。全体から行って、大変良くできました。実際私はそれを聞きながら赤くなったり、青くなったりした。あなたはアトリエでどんなに私が重く見られているかを知って下さい。私は1番進んでいます。私はカサニャックのようにほとんど熱情を持って話すので、それほど重く見られている。しかしこの勝利が私の心を有頂天にするだろうと心配しないで下さい。
で私は絵のことで幸福になって、気持ちも概して良くなってきた。
 手は6号の画布に描いた。左の手を平たくテーブルの上に乗せて、右手でペンを持っている。ちょうど彼女が描きかけて、よして、読み返しているようなところである。私の言い表し方はまずいが、あなたにはお分かりだと思います。
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by bashkirtseff | 2009-02-02 18:37 | 1880(21歳)
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