1880.02.10(Tue)

 サロンに出す絵のことで父ジュリアンと長い会見をした。私は彼の2つの申し出に従って、褒められた。私はそれを両方とも描いてみようと思う。多分3日で出来るだろう。その上で私たちは選択することにしようと思う。私は男の肖像、不満足な画材を、立派に仕上げるほどに進んでいない。けれどもそれを1枚(もちろん等身大)と、裸体を1枚描いてみよう。裸体は、ジュリアンの言うところによると、私に興味のあるもので、すべて力の自覚を持っている人には興味のあるものだという。この人は私を喜ばせる。この人は私のために未来を築き上げてくれる。この人は私さえ気乗りがしたならばいろいろなことを私にさせてくれる。そうして私は最近の会見以来気乗りがしている。来年は誰か有名な人の肖像とほかに1枚の絵を描かせるという。「あなたは列の中から一足飛びに飛び上がってもらいたいものですね。」
 今年は、私は、「案出者」は、こういうものを考えている。1人の女がテーブルに向かって、あごを片手の上に乗せて、ひじをテーブルに持たせかけて、書物を読んでいる。光が彼女の美しいブロンドの髪の毛の上に落ちている。画題はデュマの "La Question du Divorce"〔離婚問題〕。この本はちょうど出たばかりで、この問題はすべての人に興味がある。
 今ひとつの画材はヂナが白い支那紗のはかまを着て大きな昔風のいすに腰掛けて、両手をひざにおいて指を組み合わせているところ。非常に簡単な姿勢であるが、優美であるから、いつか彼女が偶然にそんな姿勢をしている時に写生したいと思う。私は彼女を早くそんな姿勢に座らせたくてならぬ。それはいくらかラ・レカミエ〔マダム・レカミエのこと、前の注に出た)から思い付いたもので、シミーズはあまり上品でないから色の付いた腰帯を結ばせようと思う。この2番目の画材で私を喜ばせるものはその完全な単純さで、色彩を施すのに非常に興味がある。おお! 実に愉快である。
 今日は興奮している。私は卓越して、偉大で、幸福で、聡明であるように感じる。私は自分の未来を信じている。
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by bashkirtseff | 2009-01-08 11:08 | 1880(21歳)
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