1879.12.31(Wed)

 私は何かの病気にかかったに相違ない。非常に気が沈んでいたずらに泣きたくなる。アトリエを出てルーブルの店へ行った。押し合ったり駆けたりしている忙しそうなうるさい騒がしい群衆を、かぎ回る鼻や探し歩く目を描写するには1人のゾラを必要とするだろう。私は熱と神経で気が遠くなったように感じた。美しいアレクサンドリイヌ・パッチェンコに(神様私をお許し下さい)母は簡単な適当な手紙を出した。次に書いてあるのが私から彼女に出したもので、白い滑らかな紙に書いて、小さいMの字の上には金の王冠がかぶせてあった。──

親愛なるマドモアゼル、
私の弟があなたに母の同意をば伝えるでしょう。私は、あなたの幸福に対するあらゆる希望をお贈り致します。そうしてあなたが私たちの親愛なるポオルを彼が値するだけ幸福にしてあげて下さることを望みます。私たちの間にあなたを見ることの楽しみを待ちながら、私は心からあなたを抱擁します。
マリ・バシュキルツェフ

 それ以外に何を私から言うことがあるか? ポオルは彼のエルキュール(ヘラクレス)のような形と美ぼうを持ってすれば、もう少し良い結婚が出来るはずであった。今度の結婚は全くその娘のためである。だから私もそれを承認する。
 何という哀れな年の暮れだろう! ……11時になったら寝ようと思う。そうしたら真夜中にはよく眠って……良き運命の知らせを夢見るであろう。
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by bashkirtseff | 2009-01-06 14:35 | 1879(20歳)
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