1879.06.15(Sun)

 しばらく私はうるさいことを投げ出して仕事をしようと決心した。
 ジュリアンは私に対する義務を理解している点にかけては偉い人である。彼は言う、私は成功しなければならぬ、と。なぜと言うに……。私たちはお互いに理解しています。親愛なる後代者よ、そうじゃありませんか?
 あなたは来年は始めねばなりません、とフォリ・ジュリアン校の有名な校長は言った。
 そうだ、もうそれは決まっている。私が私の中に何物かを持っていることは、年取った祖父様なるジュリアン、あなたは今にお分かりになるでしょう!
 本当を言うと、あなたは私がアトリエに持っていく金のために、また私が得るかも知れない名誉のために、私を励ましてくれるのです。しかし私の仕事が良く出来ようとまずく出来ようと、あなたは同じ金を支払われるのだから、どっちだって同じことでしょう。
 今に分かります、私が死にさえしなければ。私はもうあと数カ月きりもたないのだと思うと、胸がどきどきして、熱が出て来る。
 私は全力を尽くして絶えず勉強しよう。明日はヴェルサイユへ行こうと思う。もしヴェルサイユへ行きはぐれても何でもない。──それは外で暮らす1週間のうちの1度の午後を失ったというまでのことである。
 ジュリアンはすでに確実な勉強の復活に気がついている。彼はこれから私が決して毎週の構図を怠けないのを見るであろう。私は構図を書き留めたり、月日や表題を記しつけたりするアルバムをひとつ持っている。
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by bashkirtseff | 2008-12-19 15:03 | 1879(20歳)
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