1879.04.03(Thu)

 何と言っても、生は楽しい。私は独りきりでいると歌ったり踊ったりする。完全な孤独は実に愉快なものであるから。しかし、召し使いとか、家族とかに邪魔されるのは、何という苦しさであろう! ……家族でさえも邪魔になるのである! ……まあ聞いて下さい。今日、アトリエから帰ってくる道で私は自分が幸福だと思っていました。私は内の人たちに対して、また献身的な私の善良な叔母に対して、心の中ではどんなに愛情を感じていたか、恐らくあなたには言っても信じて下さらなかったでしょう。ところが、私は幸福ではなかったのです。
 小さいエルスニツが私の生活を災いする。私はもうお茶も飲まないことにした。彼女がついでくれるから。また彼女の指の触ったパンを食べねばならぬ時にはどうしよう!!! 私は彼女を追い越して2足3足でも1人で歩けるためには、動脈瘤(りゅう)になっても良いから、階段を気違いのように駆け上がったりもする。水差しやビネガーの瓶を取りたい時には、彼女の指の触ったところに触らないように、向こう側へ回って取る。あのかわいそうな娘にはどことなしに虫けらのような所がある。あの哀れっぽい顔つきと薄黒いつめは私を病気にさせてしまう。
[PR]
by bashkirtseff | 2008-12-16 09:59 | 1879(20歳)
<< 1879.04.05(Sat) 1879.04.01(Tue) >>